肩こりに肩たたき…は逆効果?!根本的な2つの解決法!その1

肩こり=肩たたき、というイメージは根強いです。肩たたき券など、昔よく作りませんでしたか?実は、肩たたきって、逆に肩こりの原因を生み出す原因になりうるんです!
もちろん、大好きなおじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さんに知らずにやってしまっていた方も多いかと思います。でも、罪悪感を感じる必要はありません。だって、当時の常識に則って、知らずにやってしまっていただけなのですから。ただ、一般的な肩こりに対する根本的な解決策を今から書いてゆきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

まず、肩たたきがなぜ肩こりの原因になるか書いていきますね。もちろん、肩たたきをしてもらったことがある方はわかると思うのですが、肩たたき後は一時的に肩こりが楽になりますよね。これは、たたくという強い刺激により、疲労を感じている筋が伸び縮みすることにより、血行が良くなることが主な原因と考えられます。なぜ血行が良くなるかというと、筋肉の下や周囲には血管があるため、筋肉の動きに伴って血管も圧迫されたり弛緩したりするからです。血管が圧迫される、と聞くと逆に血行が悪くなりそうですが、圧迫されて→弛緩する、ということにより、一度せき止められた血流が一気に開放されるため、勢いよく流れることで血流がよくなります。これは、水の流れているホースを潰して、パッと放した時のことをイメージすると分かりやすいかと思います。
ただ、筋肉はたたく、強く揉むなど強い刺激を加えると、柔軟性が低下し固くなりやすく、肩こりを繰り返す原因になると言われています。一般的な肩たたきでは、叩く・揉むが繰り返し行われますよね?ということで、肩たたきの効果はあっても一時的であり、逆に筋肉を固くすることで更に肩こりしやすくなる可能性が高い、というわけです。

では、根本的な解決の主なものを2つ書いていきます。これらの方法は、今ある肩こりにも、肩こりの予防にもつながりますのでぜひ試してみてください。
結論から書きますと、その2つとは

① 筋肉を動かし、ストレッチで血行改善・筋力の向上で筋疲労を予防する
② 肩こりをしにくい姿勢を取る

です。これからその具体的な方法を書いてゆきますが、長くなるため今回の記事では①筋肉を動かし、ストレッチで血行改善・筋力の向上で筋疲労を予防する」について書いていきます。

さて、その方法とは「肩回りを静的・動的ストレッチでほぐし、特に動的ストレッチである程度の筋力増加を狙う」という方法です。
筋肉の伸び縮みで血行が改善することは先にも書きました。特に、痛すぎる肩こりは、体育の授業でやったようなじんわり伸ばすストレッチで穏やかに血行と柔軟性の改善を図り、痛みを緩和することが重要です。
「それすらできないくらい痛すぎる!」という場合には、マッサージから始めることを考えてもいいかもしれません。マッサージでは、今まで書いてきたように筋が固くなってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、軽い刺激で、さするように動かせばさほど強い刺激にはならないのであまり影響はないと思われます。もちろん最終的な目標は、自分で楽に動かせるようになることですから、痛くて動かせないという事態は早めに解消したいですからね。
筋肉の向きと直角に、つまり肩回りでは、首→肩に向かって筋肉が走っていますので、体の前(お腹側)⇔後ろ(背中側)に首・肩の筋肉をさすると筋肉がほぐれやすいです。ついでに首の付け根と肩先を結んだ距離の真ん中に、肩井(けんせい)というツボがあるので押してみてもいいかもしれません。
静的ストレッチは、片方の腕を胸の前に持ってきて、反対の腕で(できれば肘より腕側を)押さえて胸に引き付ける、首をやさしく前後左右に倒すなどがやりやすく効果的です。ただし、首のストレッチは、重要な神経や血管が通っていますので、違和感が生じたら違和感のない範囲に留めるか、無理して行わず、必要に応じて整形外科などを受診することをお勧めします。
というのも、私自身が首回しをしていたところなんとなく嫌な感じがあり「でもみんなやってるし、これが普通なんだろう」と気にせず行っていたら、別件で整形外科を受診した際に「頸椎すべり症」と診断されたことがあるからです。本当に首周りのけがや障害は命に関わるので、くれぐれも無理はしないでください。

さて、本題の動的ストレッチです。
まず一つ目は、肩を耳に近づける(あるいは肩をすくめる)様に持ち上げ、背中側に引いて脱力します。これを繰り返すと、肩全体の力が抜けます。脱力する時は、思いっきり力を抜くことがおすすめです。これは、筋肉が通常の状態から脱力するより、収縮した後の方がより脱力するというしくみを利用したストレッチです。それぞれのタイミングに合わせて「ギュ~、ドサッ」と声に出すとより効果的と言われています。また、肩こりに対してだけでなく緊張した時もおすすめです。
次に、肩回しです。もちろん、皆様が想像される一般的な肩回しでも効きますし、肩回りが動かしにくい方は次に書いていく方法がつらい、できない可能性もあるため、肩甲骨の動きやひじを大きく回すことを意識できればかなり効果的です。
ただ、肩全体を動かすには、気を付けるポイントがいくつかあるので、できそうな方は以下の方法がおすすめです。
まず、両肩に左右それぞれの指先を乗せます。それから、肘先で大きな円を描くことを意識しながら、肩というより肘をゆっくり大きく回します。徐々に小さな円から始めても構いませんので、最終的には肘が耳を超えるくらいまで大きな円を描くことが理想です。正直「肩こり」と表現されますが、肩というよりかは首~肩回りや背中にかけての痛みですよね。このストレッチは、肘を大きく回すことで肩甲骨を大きく動かせるので、全体にアプローチ出来ます。

また、動的ストレッチは筋肉の伸び縮みにより血行改善に大いに期待できるのですが、更に根本的な改善に役立つことがあります。それは、筋力の維持・向上です。
続きの記事でも書きますが、肩こりは筋肉の疲労で生じることが多いですよね?動的ストレッチは、自力で動かすのである程度の筋力向上が望めます。筋力(どちらかというと筋持久力ですが)がつけば、筋疲労しにくくなるため、根本的な解決に近づくというわけです。

実際、私が働いていた病院では開胸手術後の患者さんが多かったのですが、うかつに首や腕、肩回りを動かせず、胸の傷も痛いというつらい状況において、ほとんどの方がストレッチ後「楽になる」とおっしゃっていました。
また、自分でストレッチを行い肩こりを解消できれば、整体やマッサージにお金をかけないで済むだけでなく、つらいと思ったその場で解消できるので、ストレッチ、特に動的ストレッチは効果的かつやって損はない方法だと思います。
では、その2の解決法「肩こりをしにくい姿勢を取る」は、次の記事をご参照ください。


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