HbA1cが同じでも、中身は全然違う?!食後高血糖の危険性とその対策

糖尿病はHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)で重症度を測られますね。A1c(エーワンシー)と略されることも多いです。HbA1cって、よく聞きますが一体何なのでしょうか?

ヘモグロビンは赤血球内にあるタンパク質の内のひとつで、細胞に酸素を運ぶ働きをしています。血中のブドウ糖がヘモグロビンと結合すると糖化ヘモグロビンになります。血糖値が高いほど結合するブドウ糖の量が多くなり、いったん糖化すると、赤血球の寿命(120日)が来るまでその状態を維持します。このことから、HbA1cは過去1~2か月前の血糖値を反映しますので、血液検査直前や当日に食事や運動などに気をつけ出しても値が変わりません。ですから、HbA1cは確かに普段の血糖を反映するので重要なのですが、同じA1cの数値でも実情は異なることがあります。

例えば、HbA1cが8点の人が2人いるとします。一人はずっと高血糖の状態を維持しているため、8%だとします。もう一人は、血糖が低かったり高かったりを繰り返していて、それを平均した結果8%だとします。

この場合、どちらが血管へのダメージが大きいと思いますか?

実は、血糖が低かったり高かったりする方なんです。血糖の高低差が大きいほど血管にダメージを与えると言われていますので、単純にHbA1cだけでその人の血糖コントロールの状態が分かるわけではないんです。もちろん、高すぎるのはたとえ血糖変動が大きくなかったとしても細胞が長時間に渡り高血糖状態が続いているとのことを表すので、早めに食事や運動を見直しましょう!

血糖の代謝異常の中でも、食後高血糖が心大血管疾患にとって大きなリスクだといわれています。インスリン抵抗性がある方は、インスリンが遅れてたくさん出てしまい、時間が経ってから低血糖が起こることがあります。これは、反応性低血糖と言います。普段、あまり気をつけていないと夕飯をたくさん食べがちですよね。たくさん食べて高血糖になった後、そのまま寝るとします。すると、寝ている間に重度の低血糖が起こってしまい、亡くなる方もいらっしゃるそうです。たくさん食べてベッドに入り、次の朝には冷たくなっている…。このことから、Dead in bed syndrome(デッド・イン・ベッドシンドローム)ともいわれています(実際には、Ⅰ型糖尿病の若い方で起こることが多いようですが)。

そして、この血糖の乱高下を引き起こすインスリン抵抗性は、内臓脂肪によって生じると言われています。内臓脂肪の付き方と減らし方は、以前にも書きましたが、食後30分は姿勢良く座っていることが一番やりやすいかと思います。

また、危険性の高い食後高血糖を防ぐためには、食事方法としては繊維質のものを食べる(先に野菜を食べる時間を5分くらい作る)、バランス良い食事かつ糖質を少なめにする、ゆっくり何度もかんで食べるなどの工夫があります。後は食後1時間付近で有酸素運動レベルの軽い運動を行い、血糖を消費してあげられるといいですね。

食後高血糖や血糖変動は血管系に大きな悪影響を及ぼす危険な減少ですが、意外と簡単に防ぐこともできます。少し気をつけるだけで効率的に心臓・血管の病気予防に役立つので、日々の生活でぜひ意識してみて下さい!


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