高血圧だとどうしてこんなに減塩減塩言われなくてはならないのか?

高血圧や心臓病の方は、減塩という言葉を耳にたこができるほど言われていると思います。実際私も、患者さんに接する時は口癖の様になってしまっています。笑

高血圧になっても正直痛くもかゆくもないことが多いので、「年のせい」などと放置されがちですが、実は高血圧一つで脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)になりやすくなるといわれています。

では、なぜ高血圧には減塩が必要なのでしょうか?

塩分は、1g摂取すると200~300mlの水分を体の中にためこみます。

血液を運んでいるのは心臓ですね。その通り道が血管です。

心臓はいつもより運ぶ量が増えて頑張って働かなくてはならないし、血管もたくさんの液体が流れるので張ってしまい、固く厚くなってしまいます。

このため短期的にも長期的にも高血圧になってしまうという説が有力なようです。

国立循環器病研究センターの情報公開サイトで言われていますが、「食塩の摂取量を減らし、血圧が2mmHg下がれば、国内での循環器病による死亡を2万人減らすことができる」とのことです。

また、Vanderbilt大学の研究によると塩分の過剰摂取は食欲を増進させるそうです。

ざっくり言うと、
①過剰な塩分を排泄するために水分が失われそうになる
②食い止めようとして筋肉を分解する
③この時エネルギーを消費する
④補おうとして食欲が増す

という流れらしいです。

②で塩分がさりげなくとんでもないことをしてくれていますね。

え…何でさらっと筋肉分解しちゃってるの…?と、最初読んだ時に衝撃を受けました。

この理屈から言うと、筋トレしてる人にも減塩が必要そうですね。

減塩すると夜間頻尿も減るらしいですよ。
寝不足は自律神経にも大きく影響しやすく、血圧や様々な悪影響が出やすいですから、夜トイレに起きてしまって眠れない方は減塩を意識してみるとよいかもしれません。

だしなどのうま味や酸味、スパイスをうまく使って過剰な塩分摂取を控えてゆきましょう!

うまみ調味料(味○素など)は、同量の塩よりは少ないですがナトリウムが含まれているため、使いすぎに注意です。

薄味にしても、飲む・食べる量が多いと結局摂取量は変わりませんから注意が必要です。

栄養士からは、味噌汁は1日1杯を勧められることが多いですね。

 

ちなみに、経口補水液(○S-1など)も、点滴と同じくらい濃いので、脱水など緊急時以外はナトリウムを始め各種ミネラル等の過剰摂取となりやすいそうです。

 

ちなみに、今日は皆既月食でしたが、自然現象と血圧にも関連があるって知ってましたか?

皆既月食の写真
皆既月食の途中経過を写した…はず…

一般的に、人間は日中活動しますよね。そうすると筋肉を動かしますから、そこに酸素や栄養を送るために心臓が働く必要があります。

そのため基本的には、朝から日中にかけて徐々に血圧が上がり、休む夜にかけて段々と下がるようになっている様です。

以前は月の満ち欠けが身体・精神に影響する、という説を信じられませんでしたが、物理的な観点から見ればそういうこともあるのかもしれませんね。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA