下の血圧って何を意味するの?上の血圧と下の血圧の差が大きいのは何で?

下の血圧、これは、拡張期血圧と医学的には呼ばれているものですが、これが上がりすぎているもしくは下がりすぎているのではないか、下がってしまったけど大丈夫なのか?という質問をよく聞きます。

WHOでは低血圧の世界基準を、収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下としています。

ところで、拡張期血圧って何でしょうか?そもそも、何で上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧が存在するのでしょう?

拡張期血圧とは、心臓が拡張した時の血圧です。

心臓が収縮すると、心臓内にあった血液が大動脈内に移動するため、大動脈が膨張します。この時大動脈にかかる圧を収縮期血圧といいます。次に、心臓が拡張すると、膨張した大動脈が元の太さに戻ろうとし、その力で血液を末梢血管に送り出します。このとき大動脈にかかる圧を拡張期血圧といいます。

この血圧の値は血管の硬さと血液量によって決まります。また、血液の粘度が高くても血圧が上がり、拡張期血圧では90mmHg以上で高血圧と診断されます。

拡張期血圧は、心臓を栄養している冠動脈に血を送る血圧とも言えます。タイミングとしても、全身を循環する血液が、肺を通って酸素を乗せて戻ってきた時の血圧ですね。心臓自体も筋肉ですので、冠動脈から送られる酸素などがないと働けません。そして、この拡張期血圧が低すぎると、冠動脈に十分な血液を送り込むことができません。低すぎる目安は40mmHg以下だと聞いたことがありますので、なかなか普段見る機会はなさそうですね。

また、収縮期血圧と拡張期血圧の差を「脈圧」と言いますが、これが大きいほど動脈硬化が進んでいると言う指標になります。

先ほど収縮期血圧は大動脈が膨らんだ時の血圧と書きましたが、弾力性のない硬い血管の中に血液を移動させようとすると、圧力を強くしないといけませんね。それで収縮期血圧が上がります。

反対に、拡張期血圧は膨らんだ大動脈が元に戻ろうとする時の圧ですが、そもそも硬い血管はあまり膨らめず、戻る力がないので拡張期血圧が低下します。これらのことから、動脈硬化あるいは加齢によって収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下します。

また、この脈圧が20mmHg未満だと冠動脈に十分に血を送れないと聞いたこともあります。ただ、低血圧の人だとこういうことも起こりうるため、自覚症状や体調の変化も見つつ必要があれば医師に相談するのが良いかと思います。

いろいろ基準はありますが、特に心臓病で血圧の薬を飲んでいる方はご自分の普段の血圧を把握しておくことが重要です。例え血圧が140/60mmHgだとしても、普段の上の血圧が160mmHgの人と、100mmHgくらいの人では同じ数値でも意味が違ってきます。

普段から血圧が高い人は、他の人から見れば普通の血圧になっても普段その血圧で過ごしているため脳血流量が減るなどして起立性低血圧症状(立ちくらみ、眼前暗黒感)などが生じることがありますので、転倒しないようゆっくり姿勢を変えるなどの注意が必要です。

毎日同じ条件で血圧測定を行い、変化があったらかかりつけの医師にその記録を見せて血圧を調整する薬が出ている場合は相談してゆきましょう。

血圧が下がってきた場合はは立ちくらみやめまい、上がってきた場合は動悸や頭痛、頭~首の後ろの張る感じなど、気になる自覚症状があれば合わせて記録し相談することをおすすめします。


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